霧名亜夜斗の軍事学入門ー本土防空篇

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日本に『空軍』は無かった。

 

 

二十世紀の初頭に開発された飛行機は、兵器=戦闘機・爆撃機等として戦争のスタイルを大きく変えました。

第一次世界大戦以降、英国やドイツ、フランスなどでは、飛行機を主体とした軍隊「空軍」が創設されました(欧州の国が多い)。
陸軍・海軍に次ぐ「第三の軍隊」の誕生です。

 

日本においては、どうだったか??というと、

「空軍」という独自の軍隊は創設されませんでした。
陸軍・海軍の航空部隊が航空戦力として機能していました。

海軍航空部隊は、航空母艦から発進する艦載機(傑作戦闘機・零戦、九七式艦上攻撃機、九九式急降下爆撃機など)が、あの昭和十六年十二月の真珠湾奇襲作戦で名を馳せましたね。

陸軍航空部隊の方は当然、地上基地から発進します。

 

ところが、海軍にも一式陸上攻撃機マレー沖海戦で英帝国海軍大型戦艦プリンス・オブ・ウェールズを撃沈)や局地戦闘機雷電といった、地上基地から発進する部隊があったのです。


つまり、同じような

「地上基地から発進する航空戦力」

を陸軍・海軍で二分していたのです。

 

これはあまり効率的とは言えません。
陸軍と海軍では使用する機体も、部品規格も整備方法も違いがあり、共通点がありません(互換性が無く互いに助け合うことが出来ない)。

太平洋戦争(当時の言葉では大東亜戦争)当初は、この弊害はそれほど問題にはなりませんでした。
しかし、昭和十九年以降戦局が悪化し、米国重爆撃機B‐29による日本本土への爆撃が開始されると、この弊害が目立つようになりました。

例えば、帝都・東京にB‐29の大編隊が迫る……迎え撃つ日本側は、陸軍と海軍が「それぞれ」の迎撃戦闘機を出撃させる……指揮系統も部隊配置も、索敵(例・電探=レーダーを陸海軍で別個に開発していた)もほとんどが「二重体制」になっていたのです。

このような陸軍・海軍の「縄張り」を取り払い、航空戦力を統合した「本土防空軍」を創設していれば、本土への空襲による犠牲(特に民間人の)はもっともっと少なかったのでは、と考えてしまいます。

 

わかりやすい参考文献です。

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